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第127巻『ヨーロッパ私法・消費者法の現代化と日本私法の展開』

第127巻第127巻
『ヨーロッパ私法・消費者法の現代化と日本私法の展開』

中田 邦博・若林 三奈・潮見 佳男・松岡 久和 編者
日本評論社 2020年3月刊
ISBN978-4-535-52487-3

はしがき 本書への案内

[1]ヨーロッパ私法とEU消費者法

 ヨーロッパ契約法とデジタル・アジェンダ

  ユルゲン・バーゼドー

  監訳:中田邦博  訳:古谷貴之

 Ⅰ 前史 / Ⅱ ヨーロッパ共通売買法の提案 / Ⅲ デジタル域内市場 /

 Ⅳ オンライン売買指令提案 / Ⅴ デジタルコンテンツの供給に関する提案 /

 Ⅵ むすび

 

 強行的契約法

  ゲルハルト・ヴァーグナー

  訳:中田邦博

 Ⅰ ヨーロッパにおける強行的契約法の増加 / Ⅱ 強行的な性質を理由付けていないこと / Ⅲ 加盟国の法秩序及びDCFRにおける強行法 / Ⅳ 強行的契約法の経済学的説明 / Ⅴ 消費者契約法の評価 / Ⅵ 特別事例―売買法 / Ⅶ まとめ

 

 イギリスから見たヨーロッパ私法の展開

  訪問販売からデジタル社会へ

  クリスチャン・トゥイグ=フレスナー

  訳:田中志津子

 Ⅰ はじめに / Ⅱ EUの法体系 / Ⅲ ヨーロッパ私法の展開―消費者法 /

 Ⅳ ヨーロッパ契約法の生成 / Ⅴ ヨーロッパ共通売買法案 /Ⅵ デジタル単一市場にむけて ―電子商取引の未来? / Ⅶ 結語

 

 平準化されたヨーロッパ私法およびアキ・コミュノテールのEU加盟国法へのインパクト

  大陸法とコモン・ローの調和

  ルス・M.マルティネス・ヴェレンコソ

  訳:カライスコス アントニオス

 Ⅰ 概要 / Ⅱ はじめに / Ⅲ ヨーロッパ契約法における新たな傾向 /

 Ⅳ おわりに

 

 ヨーロッパにおけるオンライン仲介プラットフォームのための規制枠組みにむけて

  クリストフ・ブッシュ

  訳:カライスコス アントニオス

 Ⅰ はじめに / Ⅱ ヨーロッパにおける規律に向けた近時の活動の概観 /

 Ⅲ いくつかの規律事項 / Ⅳ 結論

 

 消費者取引における透明性の要請について

  EU消費者法における展開を中心として

  カライスコス アントニオス

 Ⅰ はじめに / Ⅱ EU消費者法における透明性の要請 / Ⅲ 検討

 

 EU消費者法におけるエシカル消費の位置づけ

カライスコス アントニオス

Ⅰ はじめに /  若干の理論的整理 / Ⅲ EU消費者法におけるエシカル消費 / Ⅳ むすびに代えて

 

 イギリスのEU離脱(Brexit)とビジネス・ロー

  ユルゲン・バーゼドー

  訳:カライスコス アントニオス

 Ⅰ 離脱手続 / Ⅱ EUとイギリスの将来の関係 / Ⅲ EU 第二次法の運命 / Ⅳ 「第三国」としてのイギリスEU第一次法の効力 / Ⅴ 「第三国」としてのイギリス ―EU第二次法への影響 / Ⅵ EUによって締結された国際条約の運命 / Ⅶ 結論

 

トランスナショナルな観点からの差別禁止法と私法

  イザベル・ロリヴェ

  監訳:川和功子・勝山教子・尾形 健

   訳:七條有輔・古隅公大・和気京音

 Ⅰ 平等条項と差別禁止法 / Ⅱ 差別禁止法と法概念の伝播 / Ⅲ グローバル戦略の中心にある差別禁止法 ―宗教的マイノリティーに対して合理的配慮がとられた事例 / Ⅳおわりに

 

 2005511日の域内市場における事業者の消費者に対する不公正取引方法に関する欧州議会及び理事会指令(2005/29/EC

  訳:中田邦博・カライスコス アントニオス・古谷貴之

 

[2]ヨーロッパ各国におよびカナダにおける私法・消費者法の動向

 ドイツ民事責任法における遺族慰謝料請求権導入(BGB844条改正)の意義

  若林三奈

Ⅰ はじめに / Ⅱ これまでのドイツ法での救済のあり方 / Ⅲ 立法の背景 / Ⅳ 遺族固有の精神的損害賠償請求権の概要 / Ⅴ まとめにかえて

 

 協働過失におけるオブリーゲンハイト〔被害者の責務〕

  ヘルメットの着用を例に

  ヴォルフガング・ヴルムネスト

  訳:若林三奈

Ⅰ はじめに / Ⅱ ヘルメット着用に関する最近の2つの裁判 / Ⅲ 協働過失の理論的基礎 / Ⅳ 規範性と実証的調査との間でのオプリーゲンハイトの決定 / Ⅴ 選択した事案類型に対する結論 / Ⅵ まとめ

 

 医薬品責任の現代的課題

  ゲルハルト・ヴァーグナー

  訳:長野史寛

Ⅰ 医薬品責任小史 / Ⅱ 過失責任と危険責任の狭間の中での医薬品責任 / Ⅲ 医薬品法842項による因果関係の推定 / Ⅳ 医薬品法84a条による情報提供請求権 / Ⅴ おわりに―医薬品責任法の行方

 

 2018年改正後のドイツ売買法における追完

マライケ・シュミット

監訳:中田邦博 訳:古谷貴之

Ⅰ 債務法改正後の売買瑕疵担保 /  追完の範囲 /  追完の拒絶 /  むすび

 

事業者間取引における約款規制

現在の法状況および法改正への展望

マテオ・フォルナゼーア

訳:寺川 永

Ⅰ はじめに / Ⅱ 立法論としての事業者間契約の約款規制 / Ⅲ 約款規制の保護目的 / Ⅳ 約款規制の自由化への様々な試み / Ⅴ おわりに

 

ドイツ不正競争防止法の現代的展開

 2015年改正と仲介者責任

アンスガー・オーリー

訳:中田邦博・カライスコス アントニオス

Ⅰ はじめに / Ⅱ UWG2015年改正 / Ⅲ インターネット仲介者の不正競争防止法上の責任

 

ドイツにおける不招請勧誘規制の在り方

判例および実務上の対応を中心に

カライスコス アントニオス

Ⅰ はじめに / Ⅱ UWGによる規制の内容 / Ⅲ 判例の概観 / Ⅳ 実務上の対策 / Ⅴ おわりに

 

2015年イギリス消費者権利法に学ぶ消費者法改正

クリスチャン・トゥイグ=フレスナー

訳:カライスコス アントニオス

Ⅰ 背景事情 / Ⅱ 改正へ向けて―EUの次元 / Ⅲ 消費者権利指令と英国消費者法の改正 / Ⅳ 2015年消費者権利法の概観 / Ⅴ 得られる示唆 / Ⅵ 結論

 

民法の再法典化

フランスおよびルクセンブルクの消費法典を素材として

エリーズ・プワイヨ

訳:馬場圭太

Ⅰ 消費者法を法典化する理由 / Ⅱ 消費者法の法典化の帰結

 

比較臨床法学

ヨーロッパ臨床文化への道はあるのか? ルクセンブルクの経験

エリーズ・プワイヨ

訳:川村尚子・古谷貴之

Ⅰ はじめに / Ⅱ アメリカ・モデルの把握 / Ⅲ リーガル・クリニックの欧州モデルの構築―今後の方向性 / Ⅳ 結語

 

ケベックにおけるクラス・アクション

ユニークな手続のハイライト

カトリーヌ・ピシェ

訳:カライスコス アントニオス

Ⅰ カナダの法体系と州における立法の特殊性 / Ⅱ クラス・アクションの歴史と概観―3つの主な目的 / Ⅲ 二段階手続の第一段階―フィルタリング段階としての認可 / Ⅳ 認可に続き本案審理に導く段階 / Ⅴ 和解 / Ⅵ 複数州にわたるクラス手続および全国的なクラス

 

[第3部] 日本における私法・消費者法の動向

日本における意思表示法の現代化

錯誤規定の改正案と消費者契約法・特定商取引法の改正、電子契約法

中田邦博

Ⅰ はじめに / Ⅱ 錯誤法の展開 / Ⅲ 改正法の検討 / Ⅳ 消費者契約に関する意思表示規定の拡張傾向 / Ⅴ 電子消費者契約法 / Ⅵ まとめと今後の課題

 

消費者契約法の改正と契約締結過程の規律

2016年・2018年改正の意義と課題

鹿野菜穂子

Ⅰ はじめに / Ⅱ 誤認による取消規定の拡充 / Ⅲ 合理的判断をすることができない事情の不当な利用等と取消し―過量契約取消権規定の新設と困惑類型の追加 / Ⅳ 「勧誘」概念をめぐって / Ⅴ 取消後の返還義務と取消権の行使期間 / Ⅵ 残された課題

 

「定型約款」規定の新設と諸課題について

鹿野菜穂子

Ⅰ はじめに / Ⅱ 約款規定導入の2つの側面 / Ⅲ 「定型約款」とそれ以外の約款の取扱い / Ⅳ 約款の組入要件について / Ⅴ 約款の開示をめぐる問題 / Ⅵ 不当条項規制(548条の22項) / Ⅶ むすび

 

消費者契約法・景品表示法における差止めの必要性

 クロレラチラシ事件を素材に

中田邦博

Ⅰ はじめに / Ⅱ 消費者団体の差止請求権の拡大 / Ⅲ 差止めの必要性の判断をめぐって―クロレラチラシ事件を素材として / Ⅳ クロレラチラシ事件の検討 / Ⅴ 適格消費者団体による差止請求権をめぐる今後の課題

 

法学の視点からみた消費者市民社会

カライスコス アントニオス

Ⅰ はじめに / Ⅱ 「消費者」概念と「消費者市民」概念 / Ⅲ おわりに―消費者市民社会の実現に向けて

 

[4]広告規制と私法

日本における広告規制の概要

消費者法の観点から

中田邦博

Ⅰ はじめに / Ⅱ 広告・表示の一般的規制 / Ⅲ 広告の個別規制 / Ⅳ 自主規制 / Ⅴ おわりに―今後の課題

 

広告と契約法理・勧誘概念

鹿野菜穂子

Ⅰ はじめに / Ⅱ 誤認惹起広告と瑕疵ある意思表示 / Ⅲ 契約の解釈を通した契約への取込みと契約責任 / Ⅳ 広告と契約法理に関する外国法(特にEU)の概観 / Ⅴ むすびに代えて

 

ドイツにおける広告規制と消費者

2015UWG改正を踏まえて

中田邦博

Ⅰ はじめに / Ⅱ UWGの歴史 / Ⅲ UWGの基本構造 / Ⅳ 一般条項の構造―3条 / Ⅴ 誤認惹起的な取引行為の禁止 / Ⅵ 比較広告―UWG6条 / Ⅶ 相手に受忍を期待できない迷惑行為―UWG7条 / Ⅷ UWG上の請求権の実効性確保 / Ⅸ 誤認惹起的広告に関するドイツ連邦民事裁判所(BGH)の判例から―ビオミネラルバッサー事例(BGH,13.9.2012-I ZR230/11) / Ⅹ まとめ

 

フランス広告規制法の基本構造と現況

馬場圭太

Ⅰ はじめに / Ⅱ 一般的広告規制 / Ⅲ 個別的広告規制

 

イタリアにおける広告規制と消費者

谷本圭子

Ⅰ はじめに / Ⅱ 保護の対象 / Ⅲ 規制対象 / Ⅳ 不公正取引方法 / Ⅴ 不公正な取引方法からの保護

 

ギリシャにおける広告規制

カライスコス アントニオス

Ⅰ はじめに / Ⅱ 消費者保護法による規制 / Ⅲ 不正競争防止法による規制 / Ⅳ 自主規制

 

[5]日本法からの発信と対話

Die Modernisierung des Rechts der Willenserklärungen in Japan

――Zur Reform der Irrtumsregelungen unter der Berücksichtigung der Novellierung des Verbrauchervertragsgesetzes, des Handelsgeschäftegesetzes und des Gesetzes über elektronische Verträge

Kunihiro Nakata

I EINLEITUNG / II DAS ZG VOR DER REFORM UND DIE TENDENZEN IN LEHRE UND RECHTSPRECHUNG / III UNTERSUCHUNG DER ZG-REFORM / IV TEN-DENZ ZUR AUSWEITUNG DER REGELUNGEN ZUR WILLENSERKLÄRUNG BEI VERBRAUCHERVERTRÄGEN / V GESETZ ÜBER ELEKTRONISCHE VERBRAUCHERVERTRÄGE / VI RESÜMEE UND NEUE HERAUSFORDERUNGEN / VII NACHTRAG

Internationale Reformen des Verjährungsrechts und die japanische Neuregelung in den Artikeln 144 ff.Minpō 2020

Oliver Remien

I DIE REFORMWELLE IM VERJÄHRUNGSRECHT / II ZUSCHNITT DER REGELUNG IM MINPŌ 2020 UND GRUNDFRAGEN / III SYSTEMKONKURRENZ: SUBJEKTIVE ODER/UND OBJEKTIVE FRISTEN ? / IV EINWIRKUNGEN AUF DEN LAUF DER FRIST / V PRIVATAUTONOMIE; URTEILSVERJÄHRUNG / VI SUMME

 

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