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第131巻『共生の思想と作法:共によりよく生き続けるために』

第131巻第131巻
『共生の思想と作法:共によりよく生き続けるために』

笠井 賢紀・工藤 保則 編者
法律文化社 2020年3月刊
ISBN978-4-589-04057-2

 

序章 所与の前提状況としての共生

笠井 賢紀

1 「共生」とは何か

2 誰と誰の「共生」

3 私たちに課された共生の試練

4 本書の構成

 

第Ⅰ部 共生の基盤

第1章     共生経済としてのフェアトレード

―グローバリゼーションへの対抗運動の可能性と課題―

山本 純一

1 共生社会の経済的基盤としてのフェアトレード

2 フェアトレードの発展とその概念の変容

3 グローバリゼーションへの対抗策―ローカリゼーションか、グローバリゼーションとの「共生」

4 フェアトレード・タウン運動―新たな「共生」を求めて

5 資本主義経済と「共生」するフェアトレード

 

第2章     キリスト教倫理から見た共生と公共宗教

田島 英一

1 中国共産党とキリスト教の「相性」

2 義の論理と利の論理

3 彼岸と、此岸の四象限

4 米国の「新デュルケームモデル」

5 公共宗教論

 

第3章     「我々の世界を変革する」SDGsの展開と共生社会

―「他人事」から「我が事」へ―

野田 真里

1 「我が事」としてのSDGs共生社会

2 SDGsと共生の思想の二面性

3 「越境」し「折り合いをつける」共生の作法とSDGsによる社会変革

4 開発パラダイムと文化の「越境」・「折り合い」

5 「よりよく共に生きる」SDGsの展望

 

【共生の系譜】

「生」に帰一する思想と実践

香川 敏幸

 1 他者と共にあり、共に生きる存在

 2 蜃気楼のような「共生社会」

 3 共生社会と宗教性―日本人の精神文化から見る

 4 「人生100年時代」の到来と共生

 

第Ⅱ部 共生の担い手

第4章     内発的発展を牽引するまちづくり人材

竹山 和弘

1 2つの転換に向けて

2 人口減少社会と内発的発展論

3 再帰的専門家と地方自治体職員

4 PSMを通じた地方自治体職員の人材育成

5 内発的まちづくりへのコンヴィヴィアルな関与

 

第5章     多文化社会のための共闘と共生

Minamiこども教室の日常的実践から―

原 めぐみ

1 前提としての多文化共生

2 多文化共生の概念と論点

3 Minamiこども教室の概要

4 多文化共生の作法

5 立場の二項対立を超えた共闘と共生

 

第6章     孤立からの脱却を支えるコーディネータ

―高齢者見守り活動の実践より―

伊藤 綾香

1 孤立・孤独の課題と見守り活動

2 これまでの「見守り」の概況

3 「孤立」「孤独死」と地域住民同士の「共生」

4 見守り活動が定着した地域におけるコーディネータの存在

5 コーディネータの育成に向けて

6 コーディネイトスキルを発展させるために

 

【共生の事例】

まちづくりにおけるガバナンス

―インターミディエイターとしての大学生の役割―

市川 顕

1 インターミディエイターとコミュニティ・ガバナンス

2 まちづくりにおけるガバナンス

3 共生可能なまちづくりのアクター

4 関西学院大学産業研究所のまちづくりプロジェクト

5 まちづくりプロジェクトを通じた大学生の学びと役割

6 インターミディエイターとしての大学生

 

【共生の事例】

高校魅力化プロジェクトから見る共生社会

―隠岐島前高校と津和野高校の実践例から―

山本 竜也・ 長谷川 大介

1 島根県における高校魅力化プロジェクト

2 高校魅力化プロジェクトとは

3 島前高校における高校魅力化と共生

4 津和野高校における高校魅力化と共生

5 高校魅力化プロジェクトの展望と課題

 

第Ⅲ部 共生の場と表現

第7章     地域における共生の場の生成

―アニメ聖地・埼玉県鷺宮を事例として―

大谷 尚之

 1 アニメ聖地で生まれる共生

 2 埼玉県鷺宮とアニメ『らき☆すた』

 3 共生における中間領域の役割

 4 ホスピタリティがつなぐ縁

 5 中間領域づくりの難しさと可能性

 

第8章     落語と共生社会

―自分に対するこだわりのなさから生じるつながり―

工藤 保則

1 落語人気

2 落語の国の人々

3 落語と仏教

4 つながりの芸能

5 笑いという希望

 

第9章     ポピュラー音楽が媒介する「移民国」ドイツの共生

高岡 智子

1 東西ドイツにおけるポピュラー音楽

2 ケムニッツ事件とミュージシャン

3 ハノーファーのラップ・オペラ

4 若者と大人の相互理解

5 「ドイツの」主導文化と新しい文化

6 異なる文化が出会う場としての音楽

 

第10章 米国VICE Mediaの表現形式にみる共生

松本 章伸

1 米国・メディア界に「黒船」現

2 VICEが謳う共生の概念

3 VICE流共生の描き方

4 VICEの映像コンテンツのフォーマットにみる共生の表現方法

5 マーケットに裏付けされたVICEのコンテンツと今後

 

【共生の事例】

「グローバル・エシカル教育」の実践と評価

神谷 祐介

1 グローバル・エシカル教育とは?

2 グローバル・エシカル教育の実践方法

3 事例その1―SDGsアトラクションの開催と効果検証

4 事例その2―エシカル行動を促すフィールド実験

 

終章 共生社会・共生経済の構築に向けた研究と実践

笠井 賢紀

1 共生の思想の基盤

2 共生の作法の担い手

3 共生の場と表現

4 よりよい共生を目指して

 

あとがき