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第146巻 ケアという地平

第146巻
『ケアという地平
介護と社会保障法・労働法』

武井 寛・嶋田 佳広 編著
日本評論社 2024年3月刊
ISBN978-4-535-52785-0

はしがき
第1部 社会法とケア

第1章 ケアの議論に学ぶ-社会法においてケアをどう考えるか
……武井 寛
 はじめに
 Ⅰ ケアの倫理の発見と展開
 Ⅱ フェミニスト経済学におけるケアと家事労働
 Ⅲ 社会法におけるケアの議論
 むすびに代えて

第2章 「ケアと労働法」に関するもう1つの覚書——理論動向の整理のために
……矢野昌浩
 Ⅰ 課題設定
 Ⅱ 「ケアと労働法」に関する理論動向
 Ⅲ 検討
 Ⅳ むすびにかえて

第3章 ケアの希望表明権・選択権 上田真理
 はじめに
 Ⅰ ケアの何が問題なのか
 Ⅱ コロナ禍における家族の保護の状況
 Ⅲ 当事者の希望表明・選択権 ——ドイツ社会法典を対象に
 Ⅳ 保育の支援 ——家族(親・子)の保護
 Ⅴ 障害者の社会生活への参加の支援
 おわりに

第4章 ケアと所得保障(ベーシックインカム)
……嶋田佳広
 はじめに
 Ⅰ 社会保険による所得保障の可能性、方向性
 Ⅱ 社会手当ないしは社会扶助型の給付
 Ⅲ 所得保障の変動、変容
 おわりに、または展望

第5章 高齢者ケア労働者の権利保障をめぐる課題 ——ILO、OECD、EUの動向を手がかりに
……脇田 滋
 はじめに
 Ⅰ 長期ケア労働者の労働実態と問題点
 Ⅱ 長期ケア労働をめぐる世界の動向
 Ⅲ 民営化の進行と長期ケア労働
 Ⅳ ケア労働者の権利実現の課題

第6章 「ケアの視点」からみた介護保障・介護保険 ——ドイツ介護保障システムとの対比から
……木下秀雄
 Ⅰ 「ケアの視点」と介護保障
 Ⅱ ドイツにおける介護保障と介護保険
 Ⅲ ドイツにおける在宅24時間介護
 Ⅳ まとめにかえて

第7章 イギリスの退院支援制度におけるケアラーの権利 ——キュアとケアの境目から、「ケアを中心とする社会」を展望する
……三田尾隆志
 Ⅰ 序論 ——患者退院時におけるケアラーの権利を論じる意義
 Ⅱ ヘルスケアとソーシャルケアの連携/2014年ケア法までの沿革
 Ⅲ 2014年ケア法附則第3編(Care Act 2014 Schedule3)
 Ⅳ 2022年保護及びケア法(Health and Care Act 2022)第91条
 Ⅴ 終論 ——日本法への、あるいは「ケアを中心とする社会」に向けた示唆

第2部 日本における介護保障とケア責任

第8章 高齢者ケアの「財源」問題 ——介護保障と介護保険財源を中心に
……日下部雅喜
 はじめに
 Ⅰ 介護保険制度創設の政策的意図とその後の経過
 Ⅱ ケア労働者の賃金・労働条件と財源問題 ——ホームヘルパーを中心に
 Ⅲ 自治体の介護保険運営と財源問題 ——介護保険料を中心に
 Ⅳ 介護保障の確率のための方向性 ——高齢者ケアの財源保障の課題

第9章 介護保障における老人福祉法の役割と市町村の責任
……高田清恵
はじめに
 Ⅰ 介護保障の全体像と課題
 Ⅱ 介護保険法施工後における老人福祉法と市町村の役割の変化
 Ⅲ 老人福祉法に基づく措置制度の現状 ——養護老人ホーム入所措置を例に
 Ⅳ 老人福祉法と措置制度をめぐる法的課題
 Ⅴ まとめにかえて ——老人福祉法の改正と普遍的な介護保障制度にむけて

第10章 介護保障と障害者支援 ——「65歳の壁」問題から制度改革へ
……瀧澤仁唱
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「65歳の壁」とは
 Ⅲ 「65歳の壁」をめぐる問題
 Ⅳ 小括 ——制度改革に向けて

第11章 障害者家族に課せられるケア責任 ——障害のある子どもの子殺し事件の裁判資料の分析を通じて
……田中智子
 Ⅰ 問題の所存
 Ⅱ 障害者家族における子殺し事件の契機
 Ⅲ 障害者家族における子殺し事件をめぐる裁判の確定資料の分析
 Ⅳ 3事例からの考察
 Ⅴ 結論