第111巻『アフリカの女性とリプロダクション
第111巻
『アフリカの女性とリプロダクション
―国際社会の開発言説をたおやかに超えて―』
落合 雄彦 編著
晃洋書房 2016年2月刊
ISBN 978-4-7710-2696-4
まえがき
第1章 グローバルな廃絶言説はいかにして草の根に届いたのか?
―エチオピア西南部クシ系農牧民ホールにおける女性性器切除―
はじめに
1 FGCとは何か
―定義と概念化をめぐる諸問題―
2 ホールのFGC
3 FGCをめぐる解釈とポリティクス
4 政治・ジェンダー・FGC
―2000年代以降の動き―
おわりに
第2章 シエラレオネの女性性器切除とブンドゥー結社
―「サティアの物語」を読む―
はじめに
1 FGM/Cの現状
2 ブンドゥー結社の概要
3 「サティアの物語」
おわりに
第3章 スルメレイが手にした選択肢
―ケニア・サンブル女性のライフコースの変容―
はじめに
―スルメレイとの出会い―
1 サンブル社会と「伝統的」な女性の生き方
2 スルメレイとその増加傾向
3 新しい女性像としてのスルメレイ
4 未婚期の妊娠に対する選択肢の誕生
5 スルメレイが手にした選択肢
おわりに
第4章 性と出産、産婆の呪術的役割
―ケニア・ルオ社会の事例から―
はじめに
1 ケニア・ルオ社会
2 ルオ社会における男女
3 ルオ社会における妊娠と出産
4 ニャンムレルワの特異な地位
―「不幸」の扱い―
5 近年みられる変化
おわりに
第5章 コメディカル化の限界
―ナイジェリア・ラゴスの助産医療への行政介入をめぐって―
はじめに
1 ラゴスの多元的助産医療
2 行政の介入
3 伝統助産師
4 教会助産師
5 医療知識と死生観
6 委託の不確実性
7 起業家化する助産師
おわりに
第6章 タンザニアにおける病院出産の現状と課題
はじめに
1 背景
2 ムツワラ州立リグラ病院
3 リグラ病院で出産する産婦たち
4 タンザニアにおける病院出産の課題
―助産師と母親の声―
おわりに
第7章 アフリカにおけるジェンダー視点にもとづく権利アプローチを通じた
HIV/エイズ予防への取り組み
―ステッピング・ストーンズ研修の成果と可能性―
はじめに
1 HIV/エイズとアフリカ
2 HIV/エイズと女性
3 HIV/エイズへの取り組みの変遷
―ABCアプローチの限界―
4 ステッピング・ストーンズ研修
5 ステッピング・ストーンズ研修の成果と課題
おわりに
第8章 アフリカの産科フィスチュラ問題を鳥瞰する
―先行研究の渉猟と整理―
はじめに
1 産科フィスチュラとは何か
2 対策の推進と研究関心の高まり
3 フィスチュラ・サバイバー
4 フィスチュラ
5 分娩
6 整復手術
おわりに
第9章 アフリカ産科フィスチュラ問題を虫瞰する
―リベリアのフィスチュラ・サバイバーたちの体験より―
はじめに
1 リベリアの産科フィスチュラ概観
2 リベリア・フィスチュラ・プログラムの展開
3 インタビュー調査
4 フィスチュラ・サバイバーたちの体験
おわりに