第115巻『雇用社会の危機と労働・社会保障の展望』
第115巻
『雇用社会の危機と労働・社会保障の展望』
矢野昌浩・脇田滋・木下秀雄 編
日本評論社 2017年2月刊
ISBN 978-4-535-52250-3
はしがき
序章 雇用社会のための規範理論に関する序論的検討
Ⅰ 課題の設定と検討の視点
Ⅱ 議論の整理
Ⅲ ディーセント・ワークのための規範論・権利論
Ⅳ 残された課題と本書の構成
第Ⅰ部 労働・社会保障法理論の再生
第1章 雇用・社会保障における国家・企業・個人の役割
はじめに
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 就労による「自立」の要請の特質
Ⅲ 生活保障の実現方法―国家によるのか、企業によるのか
Ⅳ 労働能力の低下に対する国家と企業
おわりに
第2章 労働権論
―反労働権的現実の改善をめざして
Ⅰ 労働権をめぐる問題の所在
Ⅱ 労働権の現実―雇用の劣化と労働の質悪化の進行
Ⅲ 「雇用の三分化」と労働権の危機
Ⅳ 労働権をめぐる現在的課題
第3章 生存権の検討
Ⅰ アベノミクスのもとでの社会保障の権利の危機と生存権
Ⅱ 生存権をめぐるいくつかの論点
Ⅲ 今後の課題としての生存権―アベノミクス破綻と社会保障の権利
第Ⅱ部 雇用と社会保障の連携をめぐる諸論点
第1章 不安定雇用の防止策
―建設業における被用者保険料負担責任の転換策を参考に
Ⅰ 不安定雇用拡大の実態と労働規制
Ⅱ 被用者保険の「適用」と不安定化の促進
Ⅲ 事業主の被用者保険料負担責任の転換
―発注者・元請け責任を追及する建設産業での取組みの紹介
第2章 若者・学生の移行期における雇用・社会保障法制の課題
はじめに
Ⅰ 移行期前後における若者の抱える困難の実相
Ⅱ 高齢化が進む「ロストジェネレーション」固有の課題
Ⅲ 若者の移行期に必要な保障
第3章 高齢者―年金と就労
第1節 定年・再雇用
はじめに
Ⅰ 法的仕組み
Ⅱ 裁判例とその検討
Ⅲ まとめ
第2節 65歳以降の働き方
Ⅰ 高齢者の所得保障の大きな後退
Ⅱ 高齢者就業の実情
Ⅲ シルバー人材センター―就業実態と労働法不適用の矛盾
Ⅳ 65歳以上の高齢者に対する雇用保険適用拡大
Ⅴ 生涯現役化政策と高齢者の劣悪雇用促進
第Ⅲ部 外国法研究
第1章 韓国
第1節 韓国における雇用社会の危機と労働・社会保障の再生
Ⅰ 韓国における格差・貧困の広がり
Ⅱ 歴代政府(金大中、盧武鉉、李明博政権)の法政策
Ⅲ 朴槿恵候補の2012年大統領選挙公約―「経済民主主義」「福祉重視」政策の提示
Ⅳ 朴槿恵政府による政策転回
Ⅴ ソウル市の積極的な労働・福祉政策
Ⅵ 小括
第2節 韓国の社会保険死角地帯解消政策
―零細事業所低賃金労働者への社会保険料支援事業
Ⅰ 社会保険「死角地帯」への取組み
Ⅱ 社会保険料支援事業誕生の背景―広範な社会保険死角地帯の存在
Ⅲ 社会保険料支援方法の採用理由
Ⅳ 社会保険料支援事業の構造
Ⅴ 支援事業の課題
Ⅵ 社会保険料支援事業の意義
第3節 韓国生活賃金条例
はじめに―生活賃金条例制定の背景
Ⅰ 条例適用の狭さとその克服
Ⅱ 生活賃金の水準
Ⅲ 生活賃金条例の実効性確保に関する取組み
Ⅳ 非正規職問題解決策における生活賃金の位置づけ
Ⅴ 日本への示唆
第2章 ドイツ
第1節 失業者・求職者の支援法制
はじめに
Ⅰ 失業者・求職者の支援における若者支援の特徴
Ⅱ 受け入れることが「期待可能(zumutbar)ではない労働」
Ⅲ 長期失業者と失業手当Ⅱの長期受給者
Ⅳ 求職者支援(2編)における若者
おわりに
第2節 ドイツにおける被用者の居住保障システム
はじめに
Ⅰ 憲法レベル
Ⅱ 私法レベル
Ⅲ 公法レベル
Ⅳ まとめ
第3節 ドイツ連邦共和国における障害者雇用
はじめに
Ⅰ ドイツにおける障害者法制
Ⅱ ドイツ障害者雇用法制瞥見
Ⅲ 小括