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第122巻『エネルギー・ガバナンス地域の政策・事業を支える社会的基盤』

第122巻第122巻
『エネルギー・ガバナンス 地域の政策・事業を支える社会的基盤』

的場信敬 平岡俊一 豊田陽介 木原浩貴 
学芸出版社 2018年2月刊
ISBN 978-4-7615-3239-0

はじめに:脱炭素社会へ加速する世界

序章
 地域エネルギー・ガバナンスとは

  1 地域エネルギー・ガバナンスとは
  2 本書の意味する「地域」
  3 「ガバナンス」の射程
  4 「持続可能な地域運営」に必要なこと
  5 なぜ「協働型」なのか
  6 地域エネルギー・ガバナンスを支える「社会的基盤」

1章
 日本における地域エネルギー事業

  1 エネルギー政策の変遷
   1.1 3.11以後のエネルギー構成はどう変わったか
   1.2 再生可能エネルギー政策の変遷、導入量の推移
   1.3 省エネルギー政策の変遷
   1.4 地域エネルギー政策の不在
  2 エネルギー事業による地域再生
   2.1 再生可能エネルギー事業による地域再生
   2.2 省エネルギー事業による地域再生
  3 地域エネルギー事業の状況
   3.1 再生可能エネルギー事業の変遷
   3.2 市民・地域共同発電所の広がり
  4 地域エネルギー事業の課題
   4.1 組織面での課題
   4.2 経済・金融面での課題
   4.3 政策面での課題  5 再生可能エネルギーのポテンシャルを活用する

2章
 国内外の地域エネルギー政策・事業の事例

  1 北海道下川町
   ―ゼロエミッション型林業と木質バイオマスによる地域熱供給
  2 岡山県西粟倉村
   ―森林資源を活用するローカルベンチャーの活躍
  3 滋賀県湖南市
   ―福祉とエネルギーを相乗する小規模分散の地域づくり
  4 長野県飯田市
   ―公民協働で地域を潤す事業のデザイン
  5 オーストリア・フォーアールベルク州
   ―野心的なエネルギー戦略を実現するステークホルダーの連携
  6 オーストリア・フェルトキルヒ市
   ―暮らしの質を高めるためのエネルギー政策
  7 ドイツ・ヴィルポーツリード村
   ―売電収入で公共サービスを充実させるエネルギー自給村

3章
 エネルギー・ガバナンスにおける地方自治体の役割

  1 社会的基盤としての地方自治体
  2 政治・行政の意志をどのように確保するか
  3 地方自治体を支える専門的人材・組織
  4 包括的な地域エネルギー政策を実現する条例・計画
  5 事業を支援する制度と体制
  6 協働のしくみをデザインする
  7 広域連携のハードルの超え方
  8 地方自治体の役割の変容

4章 地域エネルギー事業の担い手
  1 地域エネルギー・ガバナンスを担う組織
  2 日本における地域エネルギー事業の推進主体
   2.1 日本における推進主体
   2.2 市民共同発電所の場合
   2.3 自治体電力の場合
   2.4 極めて少数なモデル
  3 欧州の自治体公社
   3.1 自治体公社とは
   3.2 ミュルハイム・シュタウフェン自治体公社(ドイツ)
      ―二つの自治体が連携して設立
   3.3 ブルネック自治体公社(イタリア)
      ―100年前に設立された地域インフラ企業
   3.4 ヴェルグル自治体公社(オーストリア)―地域の経済的付加価値を創出
   3.5 ノイエ・ハイマット・チロル(オーストリア)
      ―パッシブハウス基準を満たす公営住宅の提供
   3.6 自治体公社の存在意義
  4 欧州のエネルギー協同組合
   4.1 エネルギー協同組合とは
   4.2 オーデンバルト・エネルギー協同組合(ドイツ)―地域に仕事を生み出すプラットフォーム
   4.3 ビュルガーベルケ協同組合(ドイツ)―76の組合が連携して住民に電力を販売
   4.4 エネルギー協同組合の存在意義
  5 省エネルギーを支えるしくみ
   5.1 エネルギー相談員ネットワーク
   5.2 低所得者向け省エネルギー診断事業
  6 日本での担い手の多様化と重層化に向けて

5章 欧州のエネルギー自立を推進する制度
  1 エネルギー政策のクオリティ・マネジメント・システム
   1.1 エネルギー政策のクオリティ・マネジメント・システムとは
   1.2 オーストリア:e5プログラム
   1.3 スイス:エネルギー都市制度
   1.4 EU:ヨーロピアン・エナジー・アワード
  2 日本では実現できるか

6章
 欧州の地域主体を支える中間支援組織

  1 地域エネルギー政策における中間支援組織の必要性
  2 欧州における中間支援組織「エネルギー・エージェンシー」
   2.1 エネルギー・エージェンシーの組織体制
   2.2 エネルギー・エージェンシーの活動
  3 ドイツの中間支援組織
   3.1 気候保護エージェンシー・ハノーファー地域
      ―18地域の気候保護コンセプトの策定を支援
   3.2 気候保護エネルギー・エージェンシー・ニーダーザクセン
     ―ローカルエージェンシーを補完する広域型支援組織
  4 オーストリアの中間支援組織
   4.1 エネルギー研究所フォーアールベルク
     ―州内の多様な政策・事業を支えるシンクタンク
   4.2 エネルギー・チロル―自治体のエネルギー政策プロセスへの同伴
   4.3 e5プログラムを通した自治体エネルギー政策の支援
  5 中間支援組織の機能
   5.1 調査研究・提言機能
   5.2 助言・ノウハウ提供機能
   5.3 ネットワーキング・コーディネート機能
   5.4 教育機能
 6 中間支援組織を支える組織・ネットワーク
   6.1 EU・国レベルの支援組織・ネットワーク
   6.2 特定の主体に特化した支援組織・ネットワーク
 7 中間支援組織の体制、活動の特徴
   7.1 多様な地域主体の参加
   7.2 重層的な支援体制の構築
   7.3 自治体政策への積極的関与
   7.4 ネットワーク形成、コーディネーター役の重視

7章
 日本での中間支援の推進

  1 日本における中間支援組織の事例
   1.1 北海道再生可能エネルギー振興機構
      ―120主体が立ち上げたネットワーク組織
   1.2 下川町ふるさと開発振興公社クラスター推進部
      ―地域づくり事業のノウハウを地元に蓄積する
   1.3 徳島地域エネルギー―再生可能エネルギー事業のスキーム構築と共有
  2 日本の中間支援組織の形態
  3 中間支援組織が活動できる前提条件
  4 中間支援活動を推進していくための課題
   4.1 組織の整備
   4.2 強化が必要な取り組み分野・機能
   4.3 人材の育成

終章
 地域エネルギー・ガバナンスの構築に向けて

  1 「社会的基盤」に辿り着いた経緯
  2 地域エネルギー・ガバナンスの構築を進める上での課題
   2.1 プレイヤー(担い手)の育成
   2.2 参加型政策形成のプロセス
   2.3 政策の実現を支援する人材・制度の構築
   2.4 残された課題