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第52巻『遺伝子工学時代における生命倫理と法』

第52巻第52巻
『遺伝子工学時代における生命倫理と法』

石塚伸一 代表 (日本評論社 2003)
ISBN 4-535-51394-5

はじめに

[第1セッション]遺伝子医療の限界としての法

 遺伝子医療の限界としての法/ガプリエレ・ヴォルフスラスト/訳:浅田和茂・滝本 シゲ子
  1 序文
  2 遺伝子医学とは何か
  3 ドイツにおける法的状況
  4 遺伝子医療の限界としての法

 遺伝子医療の限界としての法/浅田和茂
  1 はじめに
  2 クローン技術等規制法
  3 遺伝子研究に関するガイドライン
  4 遺伝子診断・遺伝子治療
  5 おわりに

 第1セッション討論(要約)

[第2セッション]遺伝子テストと法――特に雇用と保険について

 遺伝子テスト――特に労働法と保険法について/デニーゼ・ベンダー/訳:細谷 越史
  1 はじめに
  2 遺伝子テストは悪か
  3 法律上の禁止の必要性
  4 遺伝子データは他のデータと区別されるか
  5 労働および保険領域における遺伝子テストの許容による基本権の侵害
  6 使用者の情報要求による労働者の基本権侵害
  7 保険法における遺伝子分析
  8 国家の保護義務
  9 さいごに

 予測的な遺伝子テストと法――とりわけ雇用と保険について/只木 誠
  1 序
  2 情報に関する自己決定権
  3 労働法の領域と遺伝子テスト
  4 保険法の領域と遺伝子テスト
  5 まとめ

 第2セッション討論(要約)

[第3セッション]積極的臨死介助の法的可能性

 オランダおよびベルギーを模範とした臨死介助の新たな規定が置かれるべきか
                  /ハンス = ルートヴィッヒ・シュライバー/訳:上田 健二

  1 臨死介助をめぐる倫理と実務
  2 新たな動き
  3 オランダの新立法
  4 ベルギーの新立法
  5 ドイツへの示唆

 消極的臨死介助と積極的臨死介助との法的区別に対する生命倫理上の評価/上田 健二
  1 ドイツ法と比較した日本法の現状
  2 臨死介助の概念とその細分化
  3 消極的臨死介助と積極的臨死介助との刑法解釈論上の区別
  4 医の倫理における最高原則としてのパラダイム転換
  5 総括と展望

 第3セッション討論(要約)

[第4セッション]遺伝子医療の倫理的限界

 ゲノム研究と遺伝子工学による人間の倫理的な挑戦
                               /ルトガー・ホーネフェルダー/訳:徳尾 貫護
  1 遺伝情報に対する洞察と侵襲
  2 ヒト遺伝学の関連分野
  3 ヒト遺伝学研究
  4 労働市場――保険制度――増強(Enhancement)
  5 医療行為内でのヒト遺伝学――遺伝子診断と遺伝子治療
  6 人格とゲノム――人間学的考察
  7 倫理的反省1――安全性に関する問い
  8 倫理的反省2――目標の正当性に関する問い
  9 倫理的原理による限界付け――人間の尊厳と根本権利
  10 医療行為の目標設定への結び付き
  11 暗黙の前提

 遺伝子医療をめぐる法と倫理/青井秀夫
  1 法比較の基本視座
  2 遺伝子医療をめぐる利益コンフリクトと規制の課題
  3 日欧の規制の比較
  4 結論と残された問題

 ヒト遺伝子研究に関する仏教からの視座――縁起のバイオエシックス/鍋島 直樹
  概要
  1 はじめに――バイオテクノロジーと仏教の関係
  2 日本におけるヒトゲノム研究に関する基本方針
  3 仏教における縁起的生命観
  4 親鸞における縁起的生命観
  5 仏教からのヒトゲノム研究への願い
  6 まとめ――有用性よりもかけがえのなさを

 第4セッション討論(要約)

[第5セッション]遺伝子による医療の拡大と胚子の地位――研究目的の胚子の製造と利用

 胚の地位――特に研究のための胚生成とその利用/ヨッヘン・タウピッツ/訳:辻川 義之
  1 はじめに
  2 単一法上の地位
  3 基本法の立場
  4 具体化――胚性幹細胞を使った研究
  5 おわりに

 ヒト遺伝子研究の成果にもとづく医学の新しい展開/伏木 信次
  1 はじめに
  2 病とは
  3 遺伝子診断とは
  4 遺伝子情報のもつ重み
  5 遺伝子診断に関連して生じる問題点
  6 遺伝子治療の現状
  7 ES細胞は再生医学の救世主か
  8 おわりに

 第5セッション討論(要約)

[第6セッション]人クローンの禁止――再生的および治療的クローン

 人間生命のクローンの禁止、再生的クローンと治療的クローン――国連による国際的解決策
                                         /ハンス・リーリエ/訳:森 征樹
  1 独仏のイニシアチブ
  2 個々の国々における雰囲気
  3 展望

 人クローンの禁止――再生的および治療的クローン/ヘニング・ローゼナウ/訳:石塚 伸一
  1 はじめに
  2 再生的クローン
  3 生殖細胞研究と治療的クローン
  4 むすび

 人クローンの禁止――再生的および治療的クローン//石塚伸一
  1 はじめに
  2 クローン技術規制法
  3 生命倫理学における不安の原因
  4 近代法学の不安
  5 刑法学の不安
  6 むすび

 第6セッション討論(要約)

[第7セッション]生殖医療の法的諸問題
         ――インビトロ受精、異父受精、代理母、母性の分離など

 生殖医療の法的諸問題/ハンス=ルートヴィッヒ・シュライバー/訳:石塚 伸一
  1 はじめに
  2 人工授精
  3 代理母と借り腹
  4 試験管受精
  5 着床前診断
  6 医師の責任
  7 むすび

 日本における生殖補助医療の現状と法的対応/高嶌 英弘
  1 はじめに
  2 個々の生殖補助医療の現状
  3 基本的問題
  4 法規制の試み
  5 生殖補助医療の全体的特徴と今後の方向

 第7セッション討論(要約)

[第8セッション]着床前後の遺伝子診断(PGD)

 着床前診断と出生前診断/ズザンネ・シュナイダー/訳:金 尚均
  1 はじめに
  2 憲法的分析の出発点としての保護義務概念
  3 ドイツ基本法2条2項1文の生命に対する権利をもとにした保護義務概念の検証
  4 結論

 日本における着床前診断(Praimplantationsdiagnostik)/金 尚均
  1 着床前診断と不安定化
  2 日本における着床前診断の問題性
  3 日本の状況
  4 日本における妊娠中絶事情
  5 優生思想と着床前診断
  6 刑法による配慮の可能性
  7 まとめ

 第8セッション討論(要約)

[第9セッション]特許と遺伝子工学

 特許法と遺伝子工学/アンドレアス・フックス/訳:福本 知行
  1 序論および問題提起
  2 実体的保護要件
  3 遺伝子工学上の発明の特許付与の制約としての公の秩序および善良の風俗
  4 遺伝子特許の保護範囲――絶対的素材保護に代わる機能連関的素材保護
  5 結語

 日本における遺伝子工学と特許法/中田 邦博
  1 はじめに
  2 日本の特許法の概要
  3 バイオテクノロジーと特許をめぐる諸問題
  4 むすび

 第9セッション討論(要約)

まとめ/村井敏邦・ハンス = ルードヴィッヒ・シュライバー

執筆者一覧
翻訳者一覧
遺伝子工学関連用語集――独英日対照(付録:日独対照表)
文献リスト