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第54巻『ヨーロッパ私法の動向と課題=Tendencies and problems of european private law』

第54巻第54巻
『ヨーロッパ私法の動向と課題
 =Tendencies and problems of european private law』

川角由和・中田邦博・潮見佳男・松岡久和 編
(日本評論社 2003)
ISBN 4-535-51348-1

はしがき

[第1部] ヨーロッパ私法の形成と方法論

 ハイン・ケッツ『ヨーロッパ契約法I』について  (松岡久和)
  1 はじめに
  2 『ヨーロッパ契約法Ⅰ』の概要
  3 『ヨーロッパ契約法Ⅰ』の意義と留意点
  4 終わりに

 書評『ヨーロッパ契約法I』  (池田清治)

 ヨーロッパ共通私法をいかにして達成するか  (ハイン・ケッツ/訳:中田邦博)
  1 はじめに
  2 ヨーロッパにおける法統一の方法と可能性
  3 ヨーロッパ民法典の可能性

 「ヨーロッパ共通私法をいかにして達成するか」をめぐっての質疑応答  (中田邦博)
  1 コメントと質問
  2 講演会参加者との討論
  3 まとめ

 ブツェリウス・ロースクール 
  ――ドイツにおける初めての私立法科大学院の試み
 (ハイン・ケッツ/訳:中田邦博)
  1 はじめに
  2 ドイツの伝統的法曹教育と司法試験
  3 法曹教育システムの問題点とブツェリウス・ロースクールの創設
  4 ブツェリウス・ロースクールの教育プログラム
  5 学生の選抜と教育プログラム
  6 学費の徴収
  7 学費の支払い方法と奨学金制度
  8 おわりに

 「ブツェリウス・ロースクール」をめぐっての質疑応答 (中田邦博)

[第2部] ヨーロッパ私法の諸動向

 不貞関係の相手方に対する無償処分の効力
  ――フランス破毀院1999年2月3日判決を手がかりに
  (森山浩江)
  1 はじめに
  2 破毀院第一民事部1999年2月3日判決
  3 本判決をめぐる議論
  4 本判決をめぐる議論から得られる示唆
  5 おわりに

 フランスからみたヨーロッパ契約法の一断面 
  ――クリストフ・ジャマンの所説の紹介
  (馬場圭太)
  1 はじめに
  2 フランスにおける議論状況の概観
  3 ジャマンの所説
  4 おわりに

 契約危殆状態における法的救済に関する一考察 
  ――ウィーン国連売買条約・ユニドロワ国際商事
    契約原則ヨーロッパ契約法原則を手がかりに
  (松井和彦)
  1 問題の所在
  2 契約危殆状態における法的救済規定の概観
  3 法的救済を生ぜしめる「契約危殆状態」の捉え方
  4 履行停止後における契約関係の帰趨――担保不供与と契約解除権との関係
  5 権利行使手続
  6 比較法的検討のまとめと今後の展望

 ドイツ債務法の現代化と「契約締結上の過失」  (川角由和)
  1 はじめに ―― 本稿の目的
  2 ドイツ債務法現代化のもとでのcic責任論とヨーロッパ契約法原則との関係
  3 cic責任に関する近時の学説とドイツ債務法の現代化
    ――J.ハーガーとB.ダウナー=リープならびにJ.ケントゲンの見解を中心に
  4 cic責任の法的効果に関する最近の判例とドイツ債務法の現代化
    ――cic責任を根拠とする「現状回復」としての契約解消
  5 ドイツ債務法現代化のもとでのcic責任の解釈論的位置づけ
  6 むすび――本稿考察のまとめと今後の課題

 大陸法と英米法における契約上の救済  (ハイン・ケッツ/訳:松岡久和)
  1 はじめに
  2 特定履行(Specific Performance)
  3 契約の解消(Termination)
  4 契約違反(Breach)
  5 結論

 「大陸法と英米法における契約上の救済」をめぐっての質疑応答  (松岡久和)
  1 コメントと質問
  2 講演会参加者との討論

 現在ドイツ損害法における法政策と法解釈学  (ゴットフリート・シーマン/訳:高嶌英弘)
  1 はじめに――債権法の改正と損害法総論
  2 利用利益の賠償を例とした、一般損害法における合意ないし価値問題
  3 一般損害法における価値観念の変遷と法創造(法の継続形成)
  4 損害法政策の不機能:損害概念をめぐる議論
  5 近代的損害法の指導理念としての、補償における正義と「利得の禁止」

 ヨーロッパにおける損害賠償と損害概念  (ペーター・シュレヒトリーム/訳:若林三奈)
  1 損害概念――比較法的スケッチ
  2 損害確定についての立法者・裁判官・学説の役割分担
  3 規範的原則への要求
  4 ドイツ損害法に基礎づけられる原則の有用性
  5 差額説と保護目的論
  6 保護目的論と予見可能性のルール
  7 まとめ

 EUとドイツにおける支払遅滞制度の変革 
  ――EU支払遅滞指令とドイツ民法典の2002年改正
  (潮見佳男)
  1 はじめに
  2 EU支払遅滞指令における遅滞法制
  3 ドイツにおける履行遅滞規定の改正
  4 おわりに

 電子商取引(インターネット取引)に関するEC指令について
            (ハンス・ユルゲン・アーレンス/訳:中田邦博)
  1 指令の成立過程 ―― 指令による立法の意味
  2 情報社会サービス(Dienste der nformationsgesellschaft)
  3 商的通信(Kommerzielle Kommunikation)
  4 調整分野
  5 個別規制の概要
  6 一つの法秩序へ連結する必要性 ―― 出所国主義
  7 出所国連結 ―― 国際私法の準則か?
  8 対象とされなかった領域
  9 バーチャル薬局事例での指令の適用
  10 法政策的評価

 包括的担保における不確実性は解決したか? 
  ―― 過剰担保における解放請求権をめぐる諸問題について

(インゴ・ゼンガー/訳:野田和裕)
  序言
  1 問題の所在
  2 判例の展開
  3 解放条項
  4 捕捉限度
  5 結論

[第3部] 資料編

 ヨーロッパ契約法原則(PECL)  (訳:藤井徳展・益澤 彩)

 初出一覧

 執筆者・翻訳者一覧