第57巻『借地借家法の新展開』
第57巻
『借地借家法の新展開』
松井宏興・岡本詔治・牛尾洋也 [編著] 信山社
ISBN 4-7972-3134-3
1 「居住権」の再構築 (岡本 詔治)
1.問題の所在と限定
2.居住権の法的構成
3.居住権論の具体化
4.まとめと課題
2 敷金の制度史的素描 (牛尾 洋也)
―民法制定以前の債務履行確保制度との関係で―
1.はじめに
2.民法制定前の賃借人の債務の履行確保制度の概観
3.民法制定過程における賃借人の債務の履行確保の制度構想
4.むすび
3 自己借地権制度導入の視点 (滝川 あおい)
1.法定地上権制度の問題点と立法提案
2.借地借家法改正作業と自己借地権制度導入論
3.自己借地権制度導入の立法提案について
4 不動産登記情報と法 (橋本 恭宏)
―人的情報と物的情報の齟齬とその法律問題―
1.問題の所在
2.人的登記情報の齟齬と借地権の対抗力(旧建物保護法1条の判例にみる)
3.判例の検討
4.旧建物保護法の問題点
5.旧建物保護法1条にいう「登記」に関する諸問題
6.現行借地借家法と旧建物保護法の比較と検討ならびに検討
5 ドイツにおける定期賃貸借 Zeitmiete 制度の展開 (藤井 俊二)
1.はじめに
2.定期賃貸借制度の変遷
3.2001年改正の準備作業
4.2001年の改正草案の変遷
5.2001年の新規定
6.むすび
6 ローマ法における所有権保護訴権の「形成」とその意義 (川角 由和)
―actio negatoriaを中心にした「覚書」的考察―
1.序論
2.「古代」ローマ法における「私」的所有権の形成過程とactio Negatoria
の未形成
3.「古典期」ローマ法における役権訴権としてのactio negatoria
の形成とその歴史的意義
4.「後」古典期におけるactio negatoriaの法的機能
5.結 語
7 虚偽表示の構造と意思欠缺 (大河 純夫)
1.虚偽表示無効の根拠とその要件について
2.94条2項の法理と類推適用について
3.いわゆる「意思無能力」について