第63巻『地球温暖化防止の課題と展望』
第63巻
『地球温暖化防止の課題と展望』
田中則夫・増田啓子 [編] 法律文化社
ISBN 4-589-02848-4
目次
はしがき
第1章 地球温暖化防止問題に対する基本的視座
1 国際環境法と地球温暖化防止制度 (田中則夫)
はじめに
Ⅰ.国際環境法における地球環境保護の課題
1.出発点としての人間環境宣言
2.地球環境保護に関する国際条約の整備
3.リオ宣言からヨハネスブルグ宣言へ
Ⅱ.地球温暖化防止制度の設立
1.気候変動枠組条約
2.京都議定書
3.京都議定書の実施に向けて
おわりに
2 環境問題と正義 (碓井敏正)
はじめに-本稿のねらい
Ⅰ.地球環境に対する責任をどう解釈するか
1.動物の権利
2.未来世代への責任
3.共同体と責任
4.共同体と個人の利害
5.環境権の可能性
6.未来世代への責任再論
Ⅱ.環境的正義の本来の領分
1.社会正義の一環としての環境的正義
2.地球温暖化と配分的正義
3 気候変動枠組みにおける途上国の参加問題-中国を 事例として (周 瑋生)
はじめに
Ⅰ.地球温暖化問題の基本構図
Ⅱ.なぜ中国か-中国の経済成長と環境負荷
1.中国の経済成長と今後の見通し
2.中国のエネルギー消費量と今後の見通し
3.中国のエネルギー消費からの環境負荷
Ⅲ.気候変動枠組みにおける途上国の参加問題
1.途上国参加問題の特徴
2.途上国参加問題の基本課題
Ⅳ.中国参加のタイムテーブル
1.気候変動枠組みにおける参加形態
2.中国参加のタイムテーブル
Ⅴ.途上国の参加問題とCDM(Clean Development Mechanism)
1.資金メカニズム
2.技術移転の促進策
3.CDMプロジェクトの選定
おわりに
第2章 地球温暖化防止に関する国際制度的諸問題
1 2013年以降の地球温暖化防止のための国際制度設計とその課題
-国際法学の視角から (髙村ゆかり)
はじめに
Ⅰ.地球温暖化問題のしくみと構造
1.地球温暖化の原因と影響
2.地球温暖化問題の構造と特質
Ⅱ.国連気候変動枠組条約と京都議定書の構造と評価
1.国連機構変動枠組条約と京都議定書の構造
2.問題の構造と特質に照らした2つの条約の評価
Ⅲ.温暖化防止のための国際制度に関する諸提案の分析
1.国際制度設計をめぐる状況と背景
2.国際制度に関する諸提案の概要
3.諸提案の評価と将来の国際制度を規定しうる諸要因
4.将来の国際制度に含まれるべき要素とアプローチ
むすびにかえて-温暖化防止の国際制度設計と国際法学の課題
2 気候変動資金メカニズムの課題-発展途上国における緩和と適応に向けて (船尾章子)
はじめに
Ⅰ.気候変動分野における発展途上国支援の制度的基盤
1.気候変動枠組条約の基本的規定
2.京都議定書による基本的規定の進展
3.地球環境ファシリティの基本構造
Ⅱ.気候変動資金メカニズムの運用と発展
1.締約国会議と地球環境ファシリティの相互関係
2.締約国会議の決定による資金メカニズムの発展
むすびにかえて
3 長期気候目標をめぐる国際合意とその代替策 (田中雄三)
はじめに
Ⅰ.長期気候目標とその設定形態
Ⅱ.ブッシュ政権の気候変動政策
Ⅲ.長期気候目標をめぐる国際的合意への代替策
第3章 地球温暖化防止に関する社会経済的諸問題
1 地球温暖化の社会的費用と衡平性 (羅 星仁・林 宰司)
はじめに
Ⅰ.地球温暖化による社会的費用
1.損害費用
2.適応費用
3.緩和費用
4.損害費用,適応費用,緩和費用の相互関係
Ⅱ.社会的費用と衡平性
むすびにかえて
2 環境政策決定における圧力団体の影響分析-日米英3カ国の温暖化対策を例として
(李 態妍・Gustavo Bardas)
はじめに
Ⅰ.温暖化政策をめぐる動向
1.京都議定書批准の現況
2.日米英の温暖化対策の動向
Ⅱ.温暖化対策への温度差の背景
1.経済的背景
2.政治的・文化的背景1-意識の違い
3.政治的・文化的背景2-情報や政策決定へのアクセス
4.背景のまとめ
Ⅲ.環境政策決定における圧力団体の影響分析
1.先行研究
2.モデル
3.シミュレーション分析
おわりに
第4章 地球温暖化防止政策の国際比較
1 EUにおける地球温暖化防止政策 (林 宰司・羅 星仁)
はじめに
Ⅰ.EUの排出の現状と国際的な位置づけ
Ⅱ.欧州気候変動プログラム(European Climate Change Program)
1.ECCPにおける議論の経緯
2.ECCPにおける重点分野
3.今後の政策
Ⅲ.EU域内の排出量取引制度
Ⅳ.EUにおける再生エネルギー普及政策
1.再生可能エネルギー政策と目標
2.風力発電
Ⅴ.気候変動に関する自主協定
1.ドイツ
2.オランダ
3.イギリス
4.デンマーク
むすびにかえて
2 地球温暖化対策-CO?排出量の実態と今後の見通し-(増田啓子)
はじめに
Ⅰ.世界のCO?排出量の実績と見通し
1.温室効果ガス排出削減に向けた中長期目標
Ⅱ.日本の温室効果ガスの排出量の実態
1.全エネルギー部門の排出量の推移
Ⅲ.日本の地球温暖化対策推進大綱の目標,実績および見通し
Ⅳ.今後の日本の姿勢
おわりに