第64巻『戦時期日本の企業経営』
第64巻
『戦時期日本の企業経営』
龍谷大学社会科学研究所 [編] 文眞堂
ISBN 4-8309-4514-1
目次
はしがき
第1章 海軍燃料廠の技術開発と石油精製事業
-石油精製業に対する影響と関連性- (野田富男)
はじめに
Ⅰ.徳山海軍燃料廠における研究開発活動
1.人造石油製造技術の導入と研究開発
2.満鉄撫順オイル・シェール工場の建設と石炭液化
Ⅱ.石油精製会社の技術導入と燃料廠
1.日本の石油各社における技術競争
2.海軍燃料廠における石油精製技術の研究開発
おわりに
第2章 太平洋戦争期の工作機械工業 (澤井実)
はじめに
Ⅰ.戦時生産の動向:計画と実績
1.計画と実績
2.軍需品・航空機部品生産への転換状況
Ⅱ.戦時統制の展開
1.精密機械統制会の成立とその活動
2.統制会機能の空洞化と陸海軍工業会の活動
3.重点主義の進展
Ⅲ.企業経営の諸側面
1.技術者の増強
2.設計・生産管理の進展と研究開発活動の活発化
3.原価計算・部門別経理の普及状況
4.労務管理の実態
5.下請状況
6.経営・生産管理の阻害要因
おわりに
第3章 戦時経済と自動車流通-日配・自配一元化案をめぐって- (四宮正親)
はじめに
Ⅰ.戦時統制と自動車流通
1.販売から配給へ
2.日配と自配の誕生
Ⅱ.配給統制機関再編成の波紋
1.日配と自配の一元化案
2.「自動車配給機構整備に関する意見書(1943年11月)
3.都道府県自動車配給株式会社の配給機構に占める役割
4.自配側提案による自動車整備配給機構改革案
Ⅲ.配給機構一元化案の背景
Ⅳ.配給機構一元化案の頓挫
1.自動車交通事業法の成立と改正
2.配給機構一元化案頓挫の含意
おわりに
第4章 戦時期における企業の研究開発体制-化学工業を中心として- (西川浩司)
はじめに
1.研究開発活動史において戦時期をとりあげる意味
2.戦時期における企業の研究開発活動を見る目
3.研究開発体制の変容を観察するための道具
Ⅰ.戦前における研究開発機関への期待
1.研究開発活動という概念の周知
2.研究開発活動の企業内部化の先駆
3.「学」,「官」の論理と「産」の論理
Ⅱ.戦時における民間研究開発機関の数量的概観
1.幾つかのデータ群について
2.研究開発機関内の勢力分布
3.民間研究開発機関の規模
4.化学関係民間研究開発機関の名称
Ⅲ.研究開発機関内におけるさまざまな論理の交錯
1.経営と科学的・技術的知識の連結
2.研究開発機関への経済統制の影響
3.研究開発機関への軍部の影響
おわりに
執筆者紹介(執筆順)
野田 富男(のだ・とみお)
九州情報大学経営情報学部教授
澤井 実(さわい・みのる)
大阪大学大学院経済学研究科教授(経済学博士)
四宮 正親(しのみや・まさちか)
関東学院大学経済学部教授(博士(経営学))
西川 浩司(にしかわ・ひろし)
龍谷大学経営学部助教授
編者紹介
龍谷大学社会科学研究所
1969(昭和44)年に龍谷大学の付属機関として創設された研究機関。
社会科学内での各分野の枠を超え,多様な研究者が共同研究を推進することで,新たな社会科学の創造と発展に寄与することを目的としている。
研究成果は,現在数十巻を擁する市販叢書となっている『社会科学研究所叢書』,及び『社会科学研究年報』で公表している。
その他,統計資料を中心に資料収集活動を継続的に行っており,収集した資料書誌データをインターネット上で公開している。