Research Institute for Social Sciences

社会科学研究所

ホーム 研究 社会科学研究所 > 出版 > 第68巻『コモンズ論再考』

第68巻『コモンズ論再考』

第68巻第68巻
 『コモンズ論再考』

鈴木龍也・富野暉一郎 [編] 晃洋書房
ISBN 4-7710-1609-7

目次

はしがき

第Ⅰ部 所有論としてのコモンズ論

第1章 「コモンズ」論と所有論        (池田 恒男)
―近年の社会学的「コモンズ」論に関する覚書―
  1.本章の目的と課題
  2.井上真らの社会学的政策論的「コモンズ」論の主張と論理構造
  3.環境社会学会を舞台とする「所有」論争
   補論 鳥越皓之の「所有論」的視角からの「コモンズ」論評価について
  4.社会学的「コモンズ」論における脱所有論ないし所有論の問題点
  5.結びに代えて  

第2章 土地所有権論再考          (牛尾 洋也)
 ―都市景観訴訟を契機としてー
  1.課 題
  2.土地所有権論の民事法学的位相
  3.土地所有権論の再考

第Ⅱ部 公共性の再構築と「公・共・私」

第3章 公共性の再構成           (富野 暉一郎)
 ―「官・民」型社会から「公・共・私」型社会へー
 はじめに  
  1.2000年分権と地方自治体
  2.「官民型社会」から「公・共・私型社会」へ
  3.行政事務事業の公共分離
  4.「公・共・私型」の地域社会像

第4章 コモンズと都市の公共性論      (大泉 英次)
  はじめに
   ―コモンズと都市をめぐる論点―
  1.コモンズと「総有」の再生
  2.コモンズ・都市と「社会的共通資本」
  3.都市の公共性論  
  おわりに
   ―コモンズと都市を結ぶ論理―

第Ⅲ部 まちづくりから見たコモンズ

第5章 まちづくりにおける住民の共通利益     (見上 崇洋)
  1.問題の所在
  2.都市空間に係る「住民」の利益について
  3.都市空間にかかる個別的利益
  4.当該地域の共通利益の内容
  5.協議手続・公私協働と共通利益
  6.国立マンション事件宮岡判決
  7.協議型まちづくりと都市空間における共通利益

第6章 不文律の約束事として守られてきた美しい街景観    (矢作 弘)
 ―東京・国立のマンション訴訟で争われた「景観利益」をめぐってー
  はじめに
  1.国立マンション訴訟
  2.「景観利益」を「入会(コモンズ)」の視点から考える
  3.「景観利益」を「均質空間論」の視点から考える
おわりに

第7章 計画的なまちづくりの推進と住宅用借地の共同管理   (藤井 洋一)
 -京都府網野町浜詰地域におけるコモンズが果たす今日的意義-
  はじめに
  1.浜詰地域の概要と土地所有・利用の枠組み
  2.区有地を活かしたまちづくりと区有地の整備
  3.公平を原則とした区有借地の利用・管理
  4.区による共同的土地利用コントロールがはたす今日的意義

第Ⅳ部 入会理論の再検討 

第8章 法学的入会権論の「源流」      (吉岡 祥充)
 ―中田総有論ノート―
  はじめに  
  1.「近代的」土地法の形成と入会林野
  2.近世における私的土地所有権と入会総有論
  3.地租改正・町村制の展開と村持林野
  おわりに
 -中田における団体と私的所有権の性格-

第9章 コモンズとしての入会         (鈴木 龍也)
  はじめに
  1.自然資源管理制度としてのコモンズ
  2.実定法的制度としての入会とコモンズ
  3.コモンズとしての入会の可能性
  ―結びにかえてー
 
参考文献

人名索引

事項索引