第70巻『自動車産業と生産システム』
第70巻
『自動車産業と生産システム』
伊達 浩憲・佐武 弘章・松岡 憲司 編著
晃洋書房
ISBN 4-7710-1748-4
目 次
はしがき
第1章 トヨタ生産方式はなぜ他の企業に浸透しにくいのか? : 佐武弘章
1 トヨタ生産方式は低成長期(製品飽和市場)に開発されたのではない
2 トヨタ生産方式は高度成長期の製品不足市場を前提にして開発された
3 資材制約の後補充方式と製品制約の後補充方式とは同じ手法で管理できるか?
4 製品飽和市場に直面したトヨタ生産調査室の対応
5 製品飽和市場での見直しの問題点―どこを、どのように見直すのか?
6 資材制約および製品制約のトヨタ生産方式に共通する独自の性格
7 「整流」生産方式の提唱
8 見直しはどこまで進んでいるか?―トヨタ生産方式の他の企業への浸透のために
第2章 トヨタ生産方式はゴットル生産方式発展の6段階モデルのどの段階に
位置づけられるか? : 佐武弘章
はじめに
1 アメリカ型大量生産方式の行き詰まりと次世代の生産方式をめぐる議論
2 「流れ生産」(コンベア労働)の批判
3 ゴットルの生産方式発展の6段階説
4 マルクス『資本の生産過程論』のメインテーマ
5 マルクスの生産方式発展段階説
6 ゴットルの生産方式発展6段階モデルの検討
7 6段階モデル後半の検討
8 加速的遂行の原理(高速経営)
9 トヨタ生産方式の独自な性格=「物財(構造)のもつ機能の最大化」
10 トヨタ生産方式の労働観
11 生産方式発展の第5段階・加速的生産方式とトヨタ生産方式
12 加速的生産方式のいくつかの特徴
おわりに
―トヨタ生産方式の高機能マネジメント―
第3章 トヨタ生産方式における非典型雇用の役割 : 伊達浩憲
―1950-60年代のトヨタ自動車における臨時工を中心に―
1 問題の所在
2 トヨタ生産方式の生成と職人的熟練の解体
3 臨時工に依存した量産体制の確立
4 自動車産業における臨時工の比率と配置
5 若年労働力不足と臨時工制度の変容
おわりに
第4章 米国自動車産業における先任権ルールと作業組織編成 : 伊達浩憲
―General Motors社A工場の事例―
1 問題の所在
2 先任権ルールをめぐる論点
3 先任権ルールとチーム方式の事例分析
4 小活
第5章 中国自動車産業における企業間分業と産業集積 : 伊達浩憲
―日系自動車メーカーの広州進出の事例―
1 問題の所在
2 中国自動車産業の産業集積とマルチ・アライアンス
3 日系メーカーの広州進出と産業集積の形成
4 東風日産のサプライ・チェーンとモジュール供給
おわりに
第6章 中国上場企業の経営分析 : 肖 威
―長安汽車と上海汽車の比較―
はじめに
1 中国自動車産業の成長
2 ROEで見る自動車上場企業の経営業積
3 長安汽車
4 上海汽車
5 両社の財務分析
6 総合評価
第7章 イギリスの自動車産業と産業政策 : 松岡憲司
はじめに
1 イギリスの自動車産業の出発
2 第二次世界大戦後
3 サッチャー政権以降
おわりに
索引