第77巻『宗教法と民事法の交錯』
第77巻
『宗教法と民事法の交錯』
鈴木 龍也 編著
晃洋書房
ISBN 978-4-7710-2009-2
目 次
はしがき : 鈴木 龍也
第Ⅰ部 歴史にみる宗教と法の交錯
第1章 明治期の社寺の財産管理における「公益性」の形成過程 : 牛尾 洋也
はじめに
1.明治期の宗教および土地政策と財産管理問題
2.明治期の判例の検討
3.結 び
第2章 明治期における社寺境内下戻問題と境内私有説の論理 : 吉岡 祥充
――中田薫・土地所有権史論への序論的考察――
はじめに――問題の所在
1.社寺境内下戻問題の法的構図――官有原則の形成と境内山林下戻問題
2.境内所有論争と中田・社寺境内私有説の形成―政治の優位から私法の論理へ
むすびに代えて――境内私有説から土地所有権史論へ
第3章 加賀一向一揆における暴力とその規制について : 畠山 亮
はじめに
1.大永期までの加賀一向一揆と本願寺
2.天文期の加賀一向一揆と本願寺
おわりに
第Ⅱ部 現代における宗教法と民事法の交錯
第4章 葬送・死者祭祀及び祭祀財産の承継と相続法体系 : 池田 恒男
――祭祀主宰権・祭祀財産承継権・屍体所有権と相続権との交錯と反発――
1.問題の所在―死者祭祀と祭祀財産承継のあり方についての問題状況
2.祭祀財産承継者の指定をめぐる問題―特に民法897条一項本文の「慣習」との関連
3.葬儀費用負担者問題
4.遺体・遺骨の帰属ないし支配処分権の所在及び法構成
5.その他の若干の関連問題
6.小括と展望
第5章 墓地利用関係の特殊性と墓地使用権 : 鈴木 龍也
はじめに
1.墓地の類型と墓地使用権
2.墓地利用の特殊性と墓地使用権の固定性・永続性
3.墓地使用権論の焦点
第6章 宗教法人の「代表者」による占有訴権の一考察 : 吉村 顕真
――最高裁平成10年3月10日判決の批判的検討――
はじめに
1.最高裁平成10年3月10日判決
2.法人代表者に関する三つの法律構成
3.本判決の検討
おわりに