第81巻『非営利放送とは何か―市民が創るメディア―』
第81巻
『非営利放送とは何か
―市民が創るメディア―』
松浦 さと子・小山 帥人 編著
ミネルヴァ書房
ISBN 978-4-623-05232-5
目 次
はじめに
序章 非営利放送とは何か
――地域のメディアを考える論点と課題―― : 松浦 さと子
1 地域放送の非営利性を論じる意義
2 少数者、社会運動との連帯の可能性
3 非営利民間放送のあり方――企業や政府には担えない役割
4 参加の回路をひらく――足元からつながりを創るための課題
5 非営利放送がコミュニティにもたらす公益――放送内容の観点から
第1部 非営利放送研究の背景
第1章 非営利放送とマスメディア : 隅井 孝雄
1 人と人との対話求めて
2 非営利市民ラジオの5年
3 読者、視聴者との回路を求めて
4 されどメディアはゆく
5 メディアのこれからを考える
第2章 放送の多様性から見る営利/非営利問題 : 坂田 謙司
1 放送の多様性と営利/非営利
2 地域からの多様な放送の出現――戦前日本の放送と営利/非営利
3 国家と地域をめぐる多様な放送の存在――戦後日本の放送と営利/非営利
4 常呂町ラジオ共同聴取に見る地域放送
5 多様性がつなぐ時間を超えた営利/非営利議論
第3章 コミュニティ放送経営と公共財源 : 重本 直利
1 コミュニティ放送と公共性
2 放送経営の法人形態
3 営利性の何が問題なのか
4 コミュニティ放送経営の矛盾
5 公共財源へのアクセスの可能性
6 公的助成を求める取り組み
第2部 非営利放送の当事者から
第4章 マイノリティの非営利放送と市民社会の成熟
――地域のメディアを考える論点と課題―― : 日比野 純一
1 先住民コミュニティラジオ、メキシコと日本の差
2 マイノリティの表現の場「株式会社エフエムわいわい」
第5章 アイヌ語を伝える FM ピパウシ――先住民族の立場から―― : 萱野 志朗
1 FM ピパウシ開局の経緯
2 FM ピパウシ開局による影響
3 地域おこしとミニ FM局との関わり
4 FM ピパウシの課題
第3部 サポートシステムとネットワークの現状
第6章 人々と映像メディアをつなぐ「メディアセンター」
――多様な市民による、多様な表現を実現するために―― : 白石 草
1 パブリック・アクセスとメディアセンター
2 アメリカ最大のメディアセンター DCTV
3 韓国のメディアセンター MediACT
4 OurPlanet-TV とメディアセンター
5 日本におけるメディアセンターの可能性
第7章 非営利ラジオ放送の世界的ネットワーク : 松浦 哲郎
1 AMARC(世界コミュニティラジオ放送連盟)
2 コミュニティラジオの諸形態
3 AMARC の組織形態と活動
第4部 海外における非営利放送
第8章 フランス
――アソシアシオンのラジオを支える仕組み―― : 小山 帥人
1 フランスの文化と制度
2 非営利放送の歴史
3 非営利ラジオを支える放送制度
4 個性豊かな非営利メディア
5 非営利メディアの課題
第9章 ドイツ
――オープン・チャンネルを越えて―― : 川島 隆一
1 市民放送とは何か
2 オープン・チャンネルの制度化
3 自由ラジオ運動
4 モデルの多様化
5 危機と再編成
6 市民放送の現在
第10章 台湾
――なぜ非営利放送が求められるか―― : 林 怡蓉
1 閉塞感に満ちた戒厳令解除前のメディア環境
2 激動する台湾の放送環境
3 非営利テレビ局の萌芽
4 多様な主観性/客観性――台湾社会が求める非営利放送
第11章 韓国
――非営利コミュニティラジオ導入における公的財源の発想―― : 金 京煥
1 市民メディアとしてのコミュニティラジオ
2 海外のコミュニティラジオの財源と運営実態
3 韓国のコミュニティラジオにおける資金調達
4 コミュニティラジオ運営の新たな展開
5 公的支援が支える運営の安定化
第5部 非営利放送の展望と課題
第12章 グローバル化時代の電子ネットワークと市民放送局 : 浜田 忠久
1 デジタル・メディアの可能性と課題
2 市民の自由な情報発信の取り組み
3 グローバル・ガバナンスと放送メディア
4 日本における通信と放送の融合
第13章 小さな物語の公開、そして共有 : 小川 明子
1 放送のひろがりと住民の映像表現
2 言論・表現の自由のために――北欧のオープン・チャンネル
3 自らの物語を語れ――イギリス BBC のデジタル・ストーリー実践
4 住民による「取材」――日本における住民取材型番組の隆盛
5 住民制作映像の位相
おわりに
索 引