第85巻『地域産業とネットワーク』
第85巻
『地域産業とネットワーク』
松岡 憲司 編
新評論 2009年3月刊
ISBN 978-4-7948-0832-5
まえがき:松岡 憲司
第1章 京都府北部における産業集積の現状と分析 : 村西一男
-工業統計調査「京都府統計書」「京都府の工業」より-
はじめに
1 府北部製造業の現状
(1)製造品出荷額
(2)付加価値額
(3)製造品出荷額と付加価値額の伸び
(4)事業所数、従業員数
(5)労働生産性
(6)労働分配率
(7)一人当たり賃金
(8)原材料使用率
(9)1事業所当たりの製造品出荷額、1事業所当たりの従業員数
2 府北部各市町製造業の現状
(1)福知山市
(2)舞鶴市
(3)綾部市
(4)宮津市
(5)京丹後市、与謝郡(与謝野町・伊根町)
3 兵庫県北部(丹波・但馬地域)製造業との比較
むすびにかえて
第2章 京都府北部の製造業の地域間取引 : 松岡憲司
はじめに
1 調査法と回答企業のプロフィール
(1)調査方法
(2)回答企業のプロフィール
2 地域間の取引構造
(1)原材料および部品購入(入手)先について
(2)製品の販売先(納入)先について
(3)外注利用の有無について
(4)京都府北部の地域間ネットワークの有無
3 地場産業と誘致企業
4 産業による地域間取引の相違
(1)福知山市の機械・金属産業
(2)舞鶴市の機械・金属産業
(3)舞鶴市のその他産業
(4)綾部市の機械・金属産業
(5)京丹後市と与謝郡の繊維・衣服産業
(6)京丹後市の機械・金属産業
5 企業連携について
むすびにかえて
第3章 海外工場間の棲み分けの要因分析 : 松岡憲司
-日進製作所のタイと中国工場の事例研究-
はじめに
1 問題意識と分析の枠組み
2 事例研究方法
3 事例研究
(1)タイ・ホンダ自動車
(2)タイ・ホンダ
(3)日進製作所
(4)タイ日進
(5)莱州日進
4 事例結果の分析
(1)四輪ロッカーアームの立地選択
(2)二輪ロッカーアームの立地選択
5 まとめと今後の課題
第4章 丹後産業と京都老舗糸商のベトナム進出 : 北野裕子
-生糸・絹糸・絹織物をめぐる産業政策との葛藤-
はじめに
1 国による生糸の輸入統制-生糸輸入一元化問題
(1)縮緬と生糸の歴史的関係
(2)生糸輸入一元化問題と丹後縮緬
2 国を超えた規制の撤廃-生糸・絹糸・絹織物の輸入自由化問題
(1)生糸輸入自由化へ向けて
(2)絹糸・絹織物の自由化とその影響
3 ベトナムでの縮緬と絹糸づくり
(1)国内でのヒアリング1-丹後機業「江原産業」江原勝公社長に聞く
(2)国内でのヒアリング2-「松村株式会社」の松永孝精専務に聞く
4 現地ベトナム工場の調査
(1)ラムドン省バオロック町について
(2)松村ベトナム工場の調査
(3)江原産業ベトナム工場と相政株式会社ベトナム工場の調査
むすびにかえて
第5章 戦間期における丹後の本店銀行と縮緬業 : 佐々木淳
はじめに
1 京都府における一行体制の成立
2 丹後における本店銀行の発展
3 丹後縮緬業の黄金時代
むすびにかえて
第6章 丹後地域の足としてのKTR : 井口富夫
-北近畿タンゴ鉄道-
1 注目を集めるKTR
2 国家建設と鉄道事業
(1)明治期の鉄道建設
(2)鉄道過疎地としてのタンゴ地域
3 丹後地域における各種交通機関
(1)各交通機関の特性
(2)丹後地域の道路・交通
4 KTRの現状と経営改善の試み
(1)KTRの現状
(2)KTRの経営改善の試み
5 KTRの利用者調査結果
(1)調査概要
(2)調査結果
6 まちづくりとKTR
(1)これからのKTR
(2)過少需要と交通業
第7章 地域再生の手段としての路線バス : 辻田素子
はじめに
1 地方の公共交通
(1)我が国の乗合バス事業の実態
(2)地方の乗合バス事業に対する運行費補助制度
(3)乗合バス事業の衰退と再評価
(4)公共交通政策の見直し
2 京丹後市の概要
(1)製造業中心の産業構造
(2)車依存度の高い地域交通
(3)就業・通学先と交通手段
3 京丹後市の上限200円バス
(1)京都府の乗合バスの現状
(2)運行事業者としての丹後海陸鉄道
(3)京都府を中心とした動き
(4)京丹後市の取り組み
(5)上限200円バス導入後の運行実績
(6)包括的な戦略とPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルによる漸進的改善
4 上限200円バスの成果-費用と便益
(1)バス運行事業者の経営改善
(2)行政からの補助金抑制
(3)通学でのバス利用者の評価と便益
(4)高齢化社会への対応
(5)高齢者へのアンケート調査結果
むすびにかえて
第8章 環日本海地域産業活性化の条件 : 金田修
-グローバル経済下での丹後地域産業と富山県産業の課題比較-
1 丹後地域産業と富山県産業比較検討の意義
2 富山県産業-環日本海地域屈指の工業集積と高い民力度
(1)日本海屈指の工業集積
(2)工業集積の特徴
(3)高い民力度
3 富山県産業の歴史的経緯-「富山売薬業」の発展と起業家精神の涵養
(1)富山県近代産業形成の基礎としての「富山売薬業」
(2)環日本海地域の立地特性を生かした売薬業の発展
(3)富山藩・富山商人の起業家精神と地域マネジメント
4 富山県近代産業の発展と地域イノベーション
(1)近代産業育成に向けた新たな産業インフラの整備-水力発電の活用など
(2)不二越の創業を契機とした機械工業の発展
(3)「売薬業」から「医薬品製造業」への発展
5 富山県産業と比較した丹後地域産業の特徴
(1)業種的比較
(2)立地・産業インフラ比較
(3)事例比較-日進製作所と田中精密工業の比較検討
6 環日本海地域産業活性化の条件-丹後地域産業および富山県産業を中心にして
(1)グローバル経済に対応した産業インフラの整備
(2)産業クラスターを発展させる地域経営
(3)環日本海立地を生かした新興国経済圏などへの対応
(4)太平洋ベルト地帯との比較優位の確保
(5)起業家精神のDNAを生かした新産業の創出
むすびにかえて
第9章 丹後地域の観光の現状と可能性 : 野方宏
-広域観光をめぐって-
はじめに
1 我が国の観光をめぐる最近の動向
(1)観光立国をめぐる動き
(2)観光の現状と経済効果
2 丹後地域の観光と現状
(1)丹後地域の経済活動
(2)丹後地域の最近の観光動向
3 丹後地域の観光の可能性(1)-地域資源の活用
(1)観光ニーズの変化
(2)丹後地域の広域観光資源
4 丹後地域の観光の可能性(2)-人材の養成と地域の連携
(1)人材の育成
(2)地域の連携
むすびにかえて
あとがき : 松岡憲司