第88巻『ヨーロッパ私法の現在と日本法の課題』
第88巻
『ヨーロッパ私法の現在と
日本法の課題』
川角由和・中田邦博・潮見佳男・松岡久和 編
日本評論社 2011年3月刊
ISBN 978-4-535-51838-4
はじめに
第1部 ヨーロッパ私法・契約法の動向と日本法
ヨーロッパ契約法の現況 : ラインハルト・ツィンマーマン 訳:吉政知広
Ⅰ 序
Ⅱ 様々なレベルにおける統一
Ⅲ 展望
Ⅳ 補論 ――共通参照枠草案(DCFR)について
「ヨーロッパ契約法の現況」をめぐる質疑応答の概要
―ツィンマーマン教授による講演を受けて : ガブリエレ・コツィオール
Ⅰ コメンテーターによる総括的コメント
Ⅱ 代表質問
Ⅲ フロアからの質問
Ⅳ コメンテーターによる回答
私法学のヨーロッパ化
―私の歩んだ道と歩む道 : ラインハルト・ツィンマーマン 訳:若林三奈
「私法学のヨーロッパ化」をめぐっての質疑応答
―ツィンマーマン教授による講演を受けて : 中田邦博・寺川 永
Ⅰ コメンテーターの総括コメントと質問
Ⅱ 質問
契約法の改正
―ドイツの経験 : ラインハルト・ツィンマーマン 訳:鹿野菜穂子
Ⅰ 債務法現代化法
Ⅱ 義務違反に対する救済
Ⅲ 売買法における不適合に対する責任
Ⅳ 消滅時効(期間制限)
Ⅴ 消費者契約法
ドイツ債務法改正から日本民法改正をどのようにみるか : 中田邦博
Ⅰ はじめに
Ⅱ 立法の経緯
Ⅲ 債務法の現代化法の特徴的内容
Ⅳ 日本民法改正への示唆 ――むすび
ヨーロッパ契約法とドイツ債務法 : 潮見佳男
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツにおける「債務法の現代化」とヨーロッパ契約法
Ⅲ ヨーロッパ契約法・ヨーロッパ契約法原則の展開とドイツ民法理論
Ⅳ むすび
ヨーロッパ契約法・消費者法からみた債務不履行法
―民法改正フォーラムの報告内容 : 中田邦博
Ⅰ はじめに
Ⅱ 債務不履行責任の基本構造をめぐる発想の違い
Ⅲ 一般契約法と広義の消費者契約法の関係
Ⅳ むすび
日本の契約法の現代化と国際物品売買契約に関する国際連合条約 : 松岡久和
Ⅰ はじめに
Ⅱ CISGと現行日本民法の主要な相違点
Ⅲ 民法改正の全体像
Ⅳ 審議の概要(その1)――民法改正の必要性および理念・方向性
Ⅴ 審議の概要(その2)――具体的な問題に関する議論
Ⅵ CISGの影響について
契約法の国際化と日本における債権法の改正 : 中田邦博
Ⅰ はじめに
Ⅱ 契約ルールの世界的・地域的統一化の流れとCISGへの加入
Ⅲ CISGとEU法、民法典の改正
Ⅳ むすびにかえて
ヨーロッパ私法における契約解消と巻戻し
: マルティン・シュミット-ケッセル 訳:中田邦博・坂口 甲・高嶌英弘
Ⅰ 基本問題
Ⅱ 解消の根拠
Ⅲ 解消の障害事由
Ⅳ 解消
Ⅴ 解消の効果
Ⅵ 総括
時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PECL)第14章
―分析と紹介 : 野々村和喜
Ⅰ はじめに
Ⅱ 統一的時効制度と主観的システム
Ⅲ 具体的準則の構造
Ⅳ 結びにかえて
ドイツとヨーロッパの消滅時効法の新たな展開における中心問題
―日本の改正論議に目を向けて : オリバー・レミーン 訳:水津太郎
Ⅰ 時、民法、そして消滅時効
Ⅱ 消滅時効の対象、性格および効果
Ⅲ 消滅時効期間とその起算点
Ⅳ 停止、中断、完成停止
Ⅴ 消滅時効に関する合意
Ⅵ 判決時効
Ⅶ 結論
ドイツにおける物権的妨害排除請求権論の到達点
―「権利重畳」説の意義 : 川角由和
Ⅰ はじめに ――本稿の前提と射程
Ⅱ 「権利重畳」説の登場
Ⅲ 「権利重畳」説への批判
Ⅳ 「権利重畳」説からの反批判
Ⅴ 「権利重畳」説の意義
Ⅵ むすび ――今後の課題
第2部 共通参照枠草案(DCFR)の生成と展開
ヨーロッパ民法典構想の現在
―不当利得法に関するDCFR第Ⅶ編を素材として : 松岡久和
Ⅰ はじめに
Ⅱ DCFRとは何か
Ⅲ DCFR第Ⅶ編の不当利得法モデル準則の特徴
Ⅳ DCFR第Ⅶ編の不当利得法に対する様々な評価
Ⅴ ヨーロッパ私法の今後
Ⅵ おわりに
ヨーロッパ契約法原則から共通参照枠へ
―現行ヨーロッパ契約法の立案グループとその基盤
: マリー=ローズ・マクガイアー 訳:大中有信
Ⅰ はじめに
Ⅱ ランドー委員会(ヨーロッパ契約法原則)
Ⅲ スタディー・グループ(ヨーロッパ法原則)
Ⅳ アキ・グループ(現行欧州共同体契約法原則)
Ⅴ 欧州委員会(行動計画(action plan))
Ⅵ 展望
ヨーロッパ私法における一般的法原則
―ヨーロッパ的多層システムにおける統一的方法論のための試論
: アクセル・メツガー 訳:中田邦博
Ⅰ はじめに
Ⅱ 法原則の一般理論
Ⅲ ヨーロッパ的多層システムにおける一般的法原則 ――実務における承認
Ⅳ テーゼの要約
共通参照枠草案における契約締結前の情報提供義務
―ドイツ法におけるヨーロッパ契約法に関する議論の一端 : 大中有信
はじめに
Ⅰ 欧州連合における契約法の平準化
Ⅱ 共通参照枠草案の概要
Ⅲ 共通参照枠草案における契約締結前における情報提供義務
Ⅳ 結語
共通参照枠草案における「損害」要件の概観
―ドイツ法圏におけるヨーロッパ不法行為法原則をめぐる議論状況 : 若林三奈
Ⅰ はじめに
Ⅱ PETL(EGTL案)とDCFR(SG案)との主な共通点
Ⅲ ヨーロッパ不法行為法原則における「損害」要件の検討 ――両提案の比較を通して
Ⅳ 共通参照枠草案(DCFR)におけるいくつかの問題点
Ⅴ おわりに
第3部 国際統一売買法の展開
エルンスト・ラーベルとウィーン売買法条約 : ハネス・ロェスラー 訳:西谷祐子・岩本 学
Ⅰ 第1章 背景
Ⅱ 第2章 概念のめざすもの及びその実現 ――法統一の基礎としての応用比較法
Ⅲ 第3章 プロジェクトの進展とその波及効果
ドイツ私法におけるハードシップの法典化
―イギリス、フランス、国際契約法との比較において : ハネス・ロェスラー 訳:吉政知広
Ⅰ 序説
Ⅱ clausula rebus sic stantibus とその発展
Ⅲ 新法
Ⅳ 判例法
Ⅴ 比較法分析
Ⅵ ハードシップに対する批判
Ⅶ 結論
不可抗力とハードシップにおける免責
―CISG、PICC、PECL、DCFR : インゲボルク・シュヴェンツァー 訳:寺川 永
Ⅰ はじめに
Ⅱ 各国法による解決方法
Ⅲ 国際的なアプローチ
Ⅳ CISGに基づいて不可抗力およびハードシップが認められるための要件
Ⅴ 不可抗力およびハードシップの効果
Ⅵ 結論
第4部 日本からの発信
Das japanische Vertragsrecht unter dem Einflus des europäischen und des deutschen Privatrechts
: Kunihiro Nakata
Ⅰ VORBEMERKUNG
Ⅱ ENTSTEHUNG DES JAPANISCHEN ZIVILRECHTS -REZEPTION FREMDEN ZIVILRECHTS
Ⅲ THEORIENREZEPTION,EUROPÄISCHES RECHT
Ⅳ DER BEITRAG DES JAPANISCHEN RECHTS IN DER GLOBALISIERTEN WELT
―BEDEUTUNG DER MODERNISIERUNG DES VERTRAGSRECHTS
Ⅴ SCHLUSSBEMERKUNG
第5部 書評
川角由和=中田邦博=潮見佳男=松岡久和編
『ヨーロッパ私法の動向と課題』 : 岡 孝
Ⅰ 本書の構成
Ⅱ いくつかの論文・講演の紹介と若干のコメント
Ⅲ 今後の課題
川角由和=中田邦博=潮見佳男=松岡久和編
『ヨーロッパ私法の展開と課題』 : 北居 功
Ⅰ 本書の構成
Ⅱ 内容の概略と論評