第97巻『ポピュリズム時代のデモクラシー-ヨーロッパからの考察』
第97巻
『ポピュリズム時代のデモクラシー
-ヨーロッパからの考察』
高橋進・石田徹 編
法律文化社 2013年3月刊
ISBN 978-4-589-03490-8
まえがき
第Ⅰ部 ポピュリズムへの視角
第1章 デモクラシーの現在とポピュリズム :野田昌吾
1 デモクラシーの現在とポピュリズム
2 戦後デモクラシーの社会的基盤とその変容
3 ポピュリズムの時代
4 ポピュリズムを超えて
第2章 ポピュリズム時代における新しい民主主義の展開と市民社会戦略
-ヨーロッパ・ドイツの事例を中心にして :坪郷實
1 ポピュリズムと政党政治の変容
2 新たな民主主義の展開の推進力としての市民社会
3 右翼ポピュリズム政党に対抗する市民社会のキャパシティ
第3章 新しい右翼の台頭とポピュリズム
-ヨーロッパにおける論議の考察 :石田徹
1 日本におけるポピュリズムの台頭
2 第3の波としての新しい右翼
3 新しい右翼とは何なのか -その定義をめぐって
4 新しい右翼はなぜ支持されるのか -台頭および成功の要因をめぐって
5 日本の現状への示唆
第Ⅱ部 ポピュリズムの諸相
第4章 ドイツにおける抗議・市民運動としての右翼ポピュリズム
-プロ・運動の事例を中心に :中谷毅
1 ドイツにおけるポピュリズムとそれを巡る議論
2 ポピュリズム勢力としてのプロ・運動
3 移民統合・イスラム問題とドイツ
4 プロ・運動は州・連邦に進出できるか?
第5章 マリーヌ・ルペンと新しい国民戦線
-「右翼ポピュリズム」とフランスのデモクラシー :畑山敏夫
1 ポピュリズムの時代?
2 「極右」からの脱却-既成政治の行き詰まりと「異議申し立てのポピュリズム」へ
3 「自国民優先」の原則と「アイデンティティのポピュリズム」
4 マリーヌ・ルペンの新しいFN-FNの刷新へ
5 ポピュリズム時代のフランス・デモクラシー
6 現代的現象としての右翼ポピュリズム
第6章 「反税」から「帝国」へ
-1950年代フランスのプジャード運動 :藤井篤
1 ナショナル・ポピュリズムの台頭
2 プジャード運動の発生
3 プジャード派と「帝国防衛」
4 運動の内部矛盾と衰退
5 プジャード運動とは何だったのか
第7章 イギリスのポピュリズム
-新自由主義から反移民・反EUへ :小堀眞裕
1 ポピュリズムに関する4つの特徴
2 1960年代の反移民・反ECポピュリズム -イノック・パウエル
3 支持率に流されないポピュリズム -サッチャリズム
4 反EU・人種主義 -UK独立党(UKIP)とブリテン民族党(BNP)
5 メディアを強く意識したポピュリズム -ボリス・ジョンソン
6 左翼ポピュリズム -Occupy LSX(ロンドン証券取引所)
7 まとめ -イギリスにおける多様なポピュリズム
第8章 ポピュリズムの多重奏
-ポピュリズムの天国:イタリア :高橋進
1 「ベルルスコーニ時代」の終焉? -長い過渡期
2 ポピュリズムの定義
3 イタリアにおけるポピュリズムの噴出
4 3つのポピュリズム政党の奇妙な同盟
5 ポピュリズムとイタリア・デモクラシーの展望
第9章 オーストリアのポピュリズム
-ハイダーからシュトラッヘへ :馬場優
1 オーストリアの右翼ポピュリズム政党
2 右翼ポピュリズム現象の背景
3 ゲットー政党から抗議政党へ -ハイダー自由党の戦略
4 権力の座についた右翼ポピュリズム政党 -抗議政党から政権政党へ
5 シュトラッヘ自由党の台頭
第10章 スウェーデンの移民政策とデモクラシー :野田葉
1 移民とデモクラシー
2 戦後初期の移民政策
3 多文化主義的な移民統合政策の確立
4 難民の増加と労働市場の変化
5 反移民政党への支持と政府の対応
6 スウェーデン・デモクラシーのゆくえ
あとがき